安楽死には2種類ある
積極的安楽死
医師などにより薬物を投与することで死に至らしめること。
日本の法律では積極的安楽死は認められておらず、刑法第202条の嘱託殺人罪、第199条の殺人罪の対象になる。
ただし、名古屋安楽死事件や、東海大学病院安楽死事件の判例では、一定の要件を備えれば積極的安楽死の違法性を阻却できると判断されている。
消極的安楽死
患者本人や家族などの意思により、延命治療を行わない、又は治療を中止することによって自然に死に至ること。
日本では尊厳死は消極的安楽死のことを指すのが一般的。
日本の法律では、患者本人の明確な意思表示に基づく消極的安楽死は、刑法第202条の嘱託殺人罪、第199条の殺人罪にならず、社会的に容認されている。
消極的安楽死の具体例
- 人工呼吸器を止める
- 投薬、点滴をやめる
- 手術をしない
「自宅で最期を迎えたい」という意思で入院しない、又は退院するのも消極的安楽死といえる。
積極的安楽死が認められている国
- オランダ
- ベルギー
- スイス
- ルクセンブルク
- オーストリア
- スペイン
- ポルトガル
- カナダ
- コロンビア
- オーストラリア
- ニュージーランド
- アメリカの一部の州
リビング・ウィル
リビング・ウィルとは、延命治療などに対しての自分の意思表示を生前の元気なうちにしておくこと。
消極的安楽死(尊厳死)の意思表示として使われる。
昏睡状態などで本人が直接意思表示できない場合でも、リビング・ウィルがあれば治療等に対する本人の意思が尊重される可能性が高まる。
献体
献体とは、死後の自分の遺体を医療機関に提供すること。
献体の登録には親族の同意が必要だが、身寄りのない人でも一部の団体では献体が可能になっている。
基本的人権、死ぬ権利
臓器提供の意思もそうですが、リビング・ウィルのマイナンバー紐づけ管理ができるようになれば利便性が向上して、医師・遺族のトラブルも低減すると思います。
また、日本は安楽死についての議論が進んでおらず、安楽死関連の法整備が課題だと感じました。
人間はいつか必ず死にます。
人生の最期がいつ来ても後悔しないような生き方をしたいものですね。
参考サイト
日本の法律上,安楽死や自殺幇助はどう罪になる?|Web医事新報|日本医事新報社
医の倫理の基礎知識 2018年版【終末期医療】C-1.終末期医療の在り方|医の倫理の基礎知識|医師のみなさまへ|日本医師会