ジャック・シェーファーさんの著書
元FBI捜査官が教える「情報を引き出す」方法
を紹介します。
概要
- 元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法と一部内容がかぶっている
- 著者の前作との違いは、情報の引き出し方に特化した内容でまとめられていること
- パスワードなどの個人情報を聞き出したエピソードが紹介されているので悪用厳禁
ハンス・シャルフ
著者が教える「引き出し法」は、ドイツ軍の捕虜尋問官、ハンス・シャルフの手法を元に作られた。
シャルフが使った「場所変更法」は相手に錯覚を起こさせる手法。
引き出し法のテクニック
- 疑念を示す
- 範囲を限定する
- 認知的不協和
- 好奇心を刺激する
- 共感を言葉で表現する
- 特徴を間違えて説明する
- 信じられないというふりをする
- 言いかけてやめる
- 無知なふりをする
- 推測を述べる
- お返しをしたいと思う返報性を利用する
- ネットやニュースなどで知った話を引き合いに出す
- 相手の地位を『格上げ』する/いい気分にさせる
- ストーリーを語る
- 第三者話法
- 言葉のエコー
引き出し法を使われたときの対処法「ブライアンのループ」
- 教えていい情報を事前に決めておく
- 好意シグナルを出して相手を混乱させる
- 質問には「はい」「いいえ」「知りません」のいずれかで答える
- 会話の流れを相手の方に向ける
これは引き出し法のを使われたときの対処法で、質問をされたときのかわし方、情報を与えない方法は自分で考えなくてはならないと思いました。
相手に好奇心を与えない、返報性を打ち消すなどのヒントは本書にあると思います。
読書メモ
- 初頭効果と親近効果のサンドイッチは印象を薄れさせる良い方法だと思った
- ネガティブな推測、問題がある前提で質問をして鎌を掛ける、付加疑問文「~ですよね?」「~ではありませんか?」という推測、これは使える
- 強い不満を持っている人は情報を引き出しやすい、ということは不満を注意深く探すと、よい情報が得られるということ
- 会社の代表番号に電話するだけでセキュリティーを突破したハッカーの話はまるで映画だが、十分にあり得るリアリティーがあった
- 相手の話に集中する、相手が話をしている最中に自分が何を話すか考えないとあるが、これが難しく会話が成立しない可能性がある
- この本の教えに反するが、相手をイラつかせるのもありかもしれない、怒りや焦りは人の冷静さを失わせるから
- 勤務先、職業を聞きたいとき「勤務先はどこですか?」ではなく「お仕事は忙しいですか?」と聞く方が警戒されないと思う
- 事前準備、欲しい情報にたどり着くためのキーワードを用意する、シナリオを考える必要がある
- 知りたい情報を抽象化する、類似の話題を話す
- 相手の感情を細かく分析・把握するのは難しいので、喜怒哀楽での分類に簡略化して共感を示す言葉を探すのが良いと思う
感想:心理学は知識ではなく道具
この本のテクニックを自分の手足のように自在に操れるようになれば、とんでもない成果が得られることは想像できます。
心理学は知識ではなく道具として使うものなんだなと思いました。
メンタリストに おれはなる?!